2018.9.19
第2回は、自転車の装備や禁止行為について説明しましょう。まずは自転車の車体に関するルールから。
クルマには車検があります。定められたサイクルで、整備状態や装備品などがチェックされ、危険な状態であると判断されれば公道を走れなくなります。同じように道路を走る自転車ですが、クルマのような車検制度がありません。法律で縛られていない自転車だからこそ、所有者がしっかりと管理をしなければなりません。
夜間に無灯火で走っている自転車もいますが、クルマと同じで自転車も夜はライトを点けなければなりません。そのライトにも規定があります。ヘッドライトは「10m前の障害物を確認できる明るさの白いライト」で、点滅ではなく点灯させること。時々リヤ用の赤いライトを前に付けている人がいますが、これは違反となります。リヤはライトを付けなければならないという規定はなく、赤色のリフレクター(反射板)でOKですが、被視認性(クルマからの見えやすさ)を考えると、リフレクターに加えて赤いライトを点けておくべきでしょう。ライトだけでなくベルも付ける必要があります。
次に禁止行為について。ついついやってしまう片手運転、実は道交法で禁止されています。だから、スマホを操作しながらの運転も傘さし運転もダメです。二人乗りも並走も違反。もちろんお酒を飲んだ状態での運転は絶対にダメ。クルマと同じで飲酒運転になります。イヤホンやヘッドホンをして周囲の音がよく聞こえない状態で自転車に乗ることも危険運転として罰せられます。
なんとなく自由なイメージのある自転車ですが、実はクルマと同じくらいルールがあるんです。ただ、これらの法律は自転車を縛るためのものではなく、我々の命と安全を守るためのもの。自転車には免許や車検などの制度がないだけに、ルールとその意味をサイクリスト一人ひとりが正しく理解したうえで乗ってほしいと思います。
ヘルメットは義務ではありませんが、シティサイクルよりスピードが出せるスポーツバイクに乗るなら、ヘルメットは必須と言っていいでしょう。原付バイクにヘルメット着用義務があるのに、それ以上のスピードを出せるスポーツバイクがヘルメットをかぶらなくていいなんて、おかしな話だと思いませんか。
自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。
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