2018.9.19
クルマには車検制度があるため、数年に一度、整備状態が厳密にチェックされ、安全な走行ができないと判断されれば公道を走ることができなくなります。危険なクルマは道路から排除されるシステムになっているわけですね。
でも、自転車には車検制度がありません。言ってみれば野放し状態。クルマと違って整備不良でも公道を走れてしまうわけですが、車検のような縛りがないからこそ、オーナーが責任を持って整備をしなければなりません。一般の自転車よりもスピードが出やすく、クルマと一緒に車道を走るスポーツバイクならなおさらです。
「前後のブレーキがちゃんと利くか」「ハンドルなどのパーツはしっかり固定されているか」「タイヤがすり減ったり空気が抜けたりしていないか」など、自転車を安全に操作できるかどうかを定期的にチェックしておきましょう。
ただし、専門知識がない人は無理に自分でイジったり直そうとしたりしないこと。「自転車なんて自分でも整備できるだろう」と簡単に考えてはいけません。自転車の整備には専門知識と高い技術力が必要です。
もし整備ミスが原因で走行中にブレーキが利かなくなったら? 坂を下っているときにハンドルがグラつきはじめたら? コーナーを曲がっているときにタイヤが破裂したら? ブレーキやハンドル、タイヤ周りが走行中にトラブルを起こすと、最悪、死に直結します。本人を危険にさらすだけでなく、他人を傷つける可能性も大いにあります。
不完全な自己整備は重大事故のもと。定期的にスポーツバイクの整備ができるショップに行き、プロメカニックに点検してもらいましょう。一番大切なのは、「この乗り物は自分の命を乗せている」「この乗り物で他人を傷つけてしまう可能性がある」と自覚することです。
自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。
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