【前編】
- ステム
- フロントフォークとハンドルバーをつなぐ、地味ですが安全上とても重要な部品です。トルクレンチを使って、各部のネジは必ず規定トルク(ねじりの強さ)で締め付けましょう。規定トルク以上は締めないほうがいいし、また規定トルクまでは締めるようにします。
締めすぎるとカーボンパーツの場合は割れてしまう恐れがあり、また締め方が足りないとハンドルバーやステアリングが空転してしまい、いずれもとても危険です。 - ハンドルバー
- カーボン製の場合は、転倒した際に折れてしまうことがあります。
取り付け角度が間違っている場合があるので、適正な角度で取り付け、また定期的に損傷がないか点検することが大事です。壊れると命に関わる部分なので、注意してチェックしましょう。 - レバー
- ロードのレバーの場合、レバー内で変速ワイヤーが切れてしまうと、機構が複雑で簡単に取り出せない場合もあるので、切れないように定期的にワイヤー交換を行いましょう。
- ヘッドパーツ
- フレームとフロントフォークをつなぐ部分です。カーブなどでハンドルが自重で自然に回っていかない場合は修理が必要です。ハンドルが重たくなった場合は、内部のベアリングに異常があることが多いです。
反対にヘッドが緩くなりすぎてガタが生じている場合もあります。前ブレーキを掛けた状態で前後にゆすって、ハンドル付近からガタガタと音がしないかチェックしましょう。この場合もステアリングに異常が発生します。 - フロントフォーク
- 金属のフォークの場合、衝突時に内側に曲がってしまう場合があります。そのまま乗っていると、もちろんちゃんと走れません。大きな転倒や衝突をした際は、必ず専門店でチェックを行いましょう。
- チューブ&バルブ
- ゴム製品は原則劣化するものなので、一定の間隔で新品に交換することをおすすめします。
ロードバイクなどスポーツ用自転車に多く使われるフレンチバルブは、一般車に比べて細くて先端が曲がりやすいので、空気を入れる際は取り扱いに注意しましょう。もし曲げてしまった場合は、ペンチなどで注意深く戻してください。 - タイヤ
- タイヤの側面に書いてある空気圧を守ることが大事です。空気圧を守ることでタイヤはその性能を発揮し、またパンクのリスクも減らします。タイヤ内の空気は自然に抜けていくので、定期的に空気を入れましょう。
また、定期的に表面のキズを確認しましょう。大きなキズがあった場合、バースト(突然の破裂)を起こす危険性があります。接地面の小さなキズであれば問題ありませんが、側面にキズが入っている場合はタイヤ全体を交換したほうがいいでしょう。
もちろんタイヤは消耗品なので、接地面のゴムが減ってきたら交換しましょう。減ったタイヤで走るとパンクの確率も上がりますし、最終的にはバーストを起こします。 - ハブ
- 車輪の回転を司る中心部です。ベアリングは定期的に調整、交換などのメンテナンスが必要です。調整を要する状態でそのまま乗り続けていると、走りのロスになったり、思い通りの走行ラインが取りにくくなったりします。
コセキサイクリングセンター 小関正之さん
京都市上京区、上七軒近くのロードバイク専門店。自転車店としては1924年創業で小関さんは3代目にあたり、スポーツ用自転車のプロショップとしても70年近くの歴史を誇る。自転車の購入時は約1時間かけて一緒に走り乗車方法をマンツーマンで教え、さらに約1時間をかけてパンク修理などメンテナンスの方法を説明。さらに購入自転車は永年点検無料など、独自の手厚いサービスが特徴だ。