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Mechanic Trouble Dictionary メカトラブル辞典

スポーツ用自転車・メカトラブル辞典

【後編】

ブレーキワイヤー
 使っているうちに握りが重く感じるようになったら、ワイヤーの中に錆びが起きたりしているので、ワイヤー交換をおすすめします。
ブレーキ
 ブレーキシューのゴムをリム(車輪の外周部)の側面に押し当てる一般的なタイプのブレーキでは、このブレーキシューが正しい位置に当たっていないと性能を十分に発揮できません。また左右のバランスをしっかり調整して維持することも大切です。もちろんブレーキシューは消耗品なので、定期的に交換しましょう。
 ディスクブレーキの場合、油圧式だとブレーキパッドの減りがわかりにくいので、時々注意してチェックしておきましょう。オイル交換はさほど頻繁に行う必要はありませんが、2年に1度くらいは専門店でチェックを受けておいたほうがいいでしょう。
リム
 たくさん乗れば徐々にバランスが狂ってくるので、左右や上下に振れていないか、車輪を浮かせた状態で回してみてチェックしましょう。ちゃんと調整されていないホイールで走ると当然ロスになります。
 大きな段差に落ちた際に、衝撃でアルミリムが膨らんでしまったり、カーボンリムであれば割れてしまったりする場合があります。こうなると原則交換でしか直らないので、特にタイヤの細いロードバイクでは乗る際に注意しましょう。
 またリムブレーキ(ホイールにブレーキシューを当てて止まる一般的なブレーキ)であれば、ブレーキシューだけでなくリム側も徐々に削れていきます。最終的にはリムの側面が薄くなりすぎてホイールが壊れてしまうので、長く使っているホイールは注意しましょう。最近は自動車のタイヤのスリップサインのように、使用限界を示す小さな穴をブレーキ面に空けてあるホイールもあります。
スプロケット
 ギヤは消耗品で、使えば徐々に削れていきます。長く使えば交換が必要で、そのまま使うと歯飛びを起こしたり、そうでなくても力の伝達において非常なロスとなります。
 あまり汚れが付かないよう、クリーナー等で時々掃除をしましょう。砂などが付着していると、ギヤが余計に削れてしまうので、綺麗にしている方が長持ちします。
スポーク
 ホイールのバランスを司る重要な部分です。振動で緩んでくる場合がありますが、その場合は車輪もガタガタになってきます。スポークの張りを調整することでホイールを真っ直ぐに戻すことができますが、熟練を要する難しい作業なので、無理に自分ではやらず専門店にお任せください。
シフトワイヤー
 ブレーキワイヤーよりも細く、曲げなどの負荷が高い場合が多いので、切れてしまうトラブルが時折発生します。実際は突然プツンと切れるのではなく、撚り合わせたワイヤーが少しずつ切れていって変速の調子が悪くなり、最終的に全体が切れてしまいます。やはり消耗品の部分なので、定期的な交換をおすすめします。
リヤディレーラ
 後ろ変速機は、取り付け部(リヤディレーラハンガー)の曲がりに注意しましょう。転倒時だけでなく、うっかり自転車を倒してしまったときなど、思った以上に簡単に曲がってしまう場合があります。真後ろから見てプーリーケージ(下側の小さなギヤが付いている部分)が地面と垂直になっていることを確認してチェックしてください。
 曲がったまま乗っていると、変速性能が落ちるばかりでなく、ギヤをローに落とした際に、車輪にディレーラを巻き込んでしまう場合があります。変速機やフレームを一気に壊してしまうこともありますので、十分注意しましょう。
チェーン
 使用を重ねることで、次第にチェーンのコマをつなぐリンクが減っていき、チェーンが“伸びた”状態になります。そのまま使用しているとギヤの歯への掛かりが悪くなることで、歯飛びが起こり、また大変な走行時のロスになります。走行5000kmまでを目安に交換しましょう。

コセキサイクリングセンター 小関正之さん

 京都市上京区、上七軒近くのロードバイク専門店。自転車店としては1924年創業で小関さんは3代目にあたり、スポーツ用自転車のプロショップとしても70年近くの歴史を誇る。自転車の購入時は約1時間かけて一緒に走り乗車方法をマンツーマンで教え、さらに約1時間をかけてパンク修理などメンテナンスの方法を説明。さらに購入自転車は永年点検無料など、独自の手厚いサービスが特徴だ。

コセキサイクリングセンター