2024.10.2
東日本大震災の復興支援を目的にしたライドイベント「CYCLE AID JAPAN 2024 in 郡山 ツール・ド・猪苗代湖」が9月28日、福島県の猪苗代湖を舞台に開催された。初開催から9回目を迎えた今年は気持ちの良い秋のサイクリング日和となり、全国各地から訪れた760人のサイクリストが猪苗代湖周辺の絶景やグルメなど地元の魅力を堪能した。
「CYCLE AID JAPAN」は東日本大震災の被災地である福島の復興支援と、自転車の利用促進を目的としたイベント。2012年にスタートし、これまで東北地方を舞台に開催されており、同エリアでの開催は今大会で9回目を迎えた。
コースは、猪苗代湖を一周する通称「イナイチ」をメインとする50kmと85kmコースの他、山岳コースを含む100kmの3つが用意されており、参加者はライドを楽しみながら、走行距離に応じた金額(1km=10円)を完走後に寄付として参加料から支払うというサイクリングチャリティとなっている。
天気予報で危ぶまれていた雨も幸い降られず、大会当日は秋風が気持ち良いサイクリング日和に恵まれた。大会会長を務める品川萬里(まさと)・郡山市長は開会式で、「ここ磐梯熱海は四季を通じてスポーツを楽しめるが、中でも秋の猪苗代湖はサイクリングに最適」と、猪苗代を一周する「イナイチ」の魅力をPR。自転車協会の伊藤政博理事長は「9回目の開催を迎えられたことはひとえに地元の皆さんの協力と参加者のご愛顧の賜物」と感謝を示しつつ、6年ぶりとなった晴天の開催に触れ、「地元の名産物と、秋の猪苗代の大自然を自転車を楽しんでください」と挨拶した。
スタート時間の8時を迎えると、品川市長の号砲を合図に、100kmコースの出走者を筆頭に参加者たちが順次ペダルを漕ぎ出していった。
イベントは交通法規を守って決められたルートを巡り、各地に設置されたエイドステーションを訪れながらゴールを目指すファンライド形式。参加者たちはスピードを競うことなく、景色を撮影したり、エイド食をゆっくり楽しんだり、それぞれのペースで楽しみながら進んだ。
各地にエイドステーションでは主に地元ならではの“名物”を提供。地元の赤カボチャを使用した天ぷら饅頭や、福島のソウルドリンクといわれる「酪王カフェオレ」、厚切りのパンに白いミルク風味のクリームをたっぷり塗った「クリームボックス」、福島の銘菓「薄皮饅頭」や名物の「湖南そば」などがふるまわれ、訪れたサイクリストたちは舌鼓を打っていた。
全てのサイクリストが猪苗代湖畔を走るようにコース設計されており、50km~100kmまで、脚力や走り方に合わせてそれぞれの「イナイチ」の絶景を楽しんでいた。
東日本大震災への復興支援として、参加費の一部を任意の団体や基金に寄付する取り組みも行われた。
ゴール後、参加者たちは会場内に設けられた①「東日本大震災義援金、東日本大震災特別災害見舞金関係寄付」(被災者への義援金)②「ふるさとふくしま応援寄付金」(福島県内の復興や猪苗代湖・尾瀬等の自然環境保全)③「郡山環境保全基金」(猪苗代湖を含む郡山市関係の環境保全)─の3つの中から寄付先を選択し、該当するボックスに自らのゼッケンシールを投函。参加者がエントリーして走った距離に応じて、1kmあたり10円の寄付を行った。
「猪苗代湖を走ってみたかったことと、併せて復興支援できるので参加した」と話すのは東京都から参加した田中良平さん。大会当日に78歳の誕生日を迎え、最高齢ながら見事100kmを完走し、「最初の長い上りが面白かった。猪苗代湖もきれいで、走りながらもっと眺めていたかった」と感想を語っていた。
千葉県から仲間と参加した木長義和さんは、「100kmに出たかったけれど、人気ですでに定員に達していたので85kmにしました。それでも地元の食べ物も楽しめて、天候に恵まれて気持ち良く走れました」と語っていた。
宮城県から参加した中学1年生の板垣美希さんは、小学6年・4年生の弟を含む家族全員で見事85kmを完走。「最後の坂がきつかったけど、皆でローテーションを組んで走ったのが楽しかった」と話していた。
同イベントに何度も参加しているというメンバーから誘われ、新潟県から初参加した黒崎宗希さんは、全参加者の中から抽選で3名に自転車が贈られるというプレゼント企画に見事当選。フィニッシュ後に当選したことを告げられ、「サイズが合えば妻に贈りたい」と喜びを語った。85kmコースを走った感想は「コースも走りやすく、これまで参加したイベントで一番気持ちよかった。エイドも脚が疲れたところで出てくるのでありがたかったです!」と話していた。
福島県内からの参加者も多く、福島市から参加した古川亮輔さんは「猪苗代湖はいつもクルマで走っているので、サイクルイベントに出てみたかった」とのこと。地元ならではのグルメも「こういう形で楽しめるのは新鮮」と満喫した様子で、「沿道からの声援が嬉しかった。また参加したい」と話していた。
「高校卒業前の思い出づくりに」と、友達同士で85kmのコースに臨んだ高校3年生の五十嵐聖(こうき)さんと小出純平さんは、「猪苗代を自転車で走るのは初めてで、出てみたいと思っていた。85kmはきつかったけれど楽しかった。良い思い出になりました」と話していた。
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