2024.10.10
東日本大震災からの復興支援を目的としたマウンテンバイク(MTB)イベント「CYCLE AID JAPAN 2024in 猪苗代 MTB RIDE 磐梯山」が9月29日、福島県の猪苗代町で開催された。会場となった「リステルスキーファンタジア」では、グリーンシーズンならではの鮮やかな芝生と緩急豊かなゲレンデを多くのマウンテンバイカーが疾走。エンデュランス(耐久レース)やスラロームといった種目の他、プロライダーによるビギナースクールや猪苗代湖を一周するツーリング等も行われ、子供から大人まで幅広いレベルの参加者がそれぞれのスタイルでイベントを楽しんでいた。
「CYCLE AID JAPAN」は参加者のエントリー費の一部を復興支援として寄付するという自転車によるチャリティイベント。初日には主にロードバイクで猪苗代湖周辺エリアを巡る「CYCLE AID JAPAN in 郡山 ツール・ド・猪苗代湖」が開催された。
2日目のMTBイベントは場所をスキー場に移して開催。前日のオンロードイベントと同じく参加費の一部が復興支援に向けた寄付として送られるほか、グリーンシーズンのゲレンデの有効活用をPRすることで、スキーシーズン以外での新たな観光の魅力を発信したい考えだ。
種目はレースを中心にプログラムが組まれ、2時間と4時間のエンデュランスのほか、ゲレンデを使ったスラロームが行われた。エンデュランスではゲレンデの他、隣接した林間コースも交えて走行。会場全体をMTBが縦横無尽に駆け抜けていた。
等間隔に設置された障害物を交互に交わしながらタイムを競うスラロームでは、参加者はスキーさながらの迫力で斜面を滑走。予選はソロのタイムで、決勝は対戦方式で順位を決着するという内容で、シンプルなルールながら盛り上がりをみせた。
キッズや小学生クラス向けのイベントも充実。6歳以下の子供たちが楽しめるキックバイクのレースから、小学生を対象としたサーキットレースが開催され、参加した子供たちはもちろん、ファミリーやチームの応援を受けて会場は大いに盛り上がりを見せた。
MTBレース以外の種目として、ロードバイクやクロスバイクで参加可能な「イナイチ」のツーリングイベントも開催された。猪苗代湖・磐梯山を臨む約60kmのオンロードコースで、途中に設けられた3カ所あるエイドステーションで地元のスイーツ等を堪能しつつ、約120人のサイクリストが秋晴れの下快走を見せた。
この他に、初めてMTBに挑戦したり、スキルアップを目指すサイクリストを対象としたビギナー向けスクールも開催された。講師は元プロ選手の山田将暉さんらが務め、斜面の上り方やコントロールの方法などを丁寧に指導。参加者たちは安全にMTBを楽しむ術を教わり、その後開催された2時間エンデュランスに臨んでいた。
栃木県から来た学生で、ロードレースの選手でもある清水大地さん(20)は、「一度トレイルを走ってMTBにハマった。これまで自己流なので、基礎的なスキルを教わりたかった」とビギナースクールを受講。「重心を前に置き過ぎてることを知ったり、色々気付きがあってためになった」と話していた。
郡山市内から参加した小山凛太郎くん(12)はMTB歴4年で、お父さんと一緒に2時間エンデュランスに参戦。レース前のビギナースクールでコースのラインをチェックしたという念の入用だ。「ロードバイクもシクロクロスも乗るけれど、MTBはトレイルで自由にラインを選べるのが楽しい」と話していた。
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