2022.1.11
一般社団法人 自転車協会が主催する「SBAAオフロードバイクディーラーサミット 2021-22」が12月7日と8日の2日間に渡り、静岡県伊豆の国市の神島河川敷・中島公園で開催され、SBAA PLUS 認定者をはじめとする自転車販売店のスタッフを対象に、プロライダーによるライディングスクールや、座学講習などが行われた。ここでは、ケルヒャージャパンによる「ケルヒャー洗車体験講習」の模様をリポートする。(Photo & Text by Masahiro OSAWA)
講師を務めたのは、前年までスポーツ自転車専門店に勤務していたケルヒャージャパンの井澤粹氏。井澤氏はまず、ケルヒャーの製品特徴から説明した。同社の高圧洗浄機は他社製品よりも節水能力が高く、水道ホースを使用した場合より、水の使用量を70%抑えることができるという。さらに、ノズルは水圧が均一でムラなく汚れが落とせること、全機種自吸機能があり、別売の自吸ホースを使えば、ため水を使って洗浄すること、多様なアクセサリを使うことで、用途に合わせた使用も可能になることを説明した。全製品の電源ケーブルは5m、延長ケーブルを使用すれば最大15mまで伸ばすこともできる。
次に行ったのが、洗車の実演だ。オフロードバイクはとにかく汚れが付着する。タイヤやフレームに付着した土埃やを取り払うのに、高圧洗浄機はうってつけの存在だが、高圧洗浄機を使う場合は、いくつか注意点があると話す。「ホイールのハブやBB(ボトムブラケット)、ヘッドパーツ、ペダルといった、ベアリングが使われている箇所に高圧の水をかけてしまうと、中のグリスが流れ落ちてしまったり、細かい砂が入り込んでしまう。あとは、サスペンションのワイパーシール部分、ワイヤーホール、シートポストとフレームの接合部も、避けたい」(井澤氏)。スポーツ用自転車に「高圧洗浄機を使用するのはNG」と言われることがあるが、上記のような事態が発生するためだが、やり方さえ気をつければ問題ないとのことだ。
井澤氏が行った実演では、まずノズルを車体から少し引いて全体に水をかけていった。至近距離だと高圧になるが、少し引いた状態であれば高圧で水がかからないからだ。その後で、別のノズルを取り付け、車体全体に洗浄剤を塗布していった。それぞれの作業は、見ているだけでも、面白い。ノズルから出る水や洗浄剤は迫力満点で、豪快かつ手軽で、思わず自分でもやってみたくなる。参加者からも「おおー」という感嘆の声が漏れるほどだった。
仕上げに水をかけ洗浄剤を落として終わりとなる。最後の仕上げでは、チェーン汚れを落とす実演も行った。こびりついた油汚れはさすがに、ブラッシングが必要になるとのことだが、ホコリ程度の汚れであれば、高圧洗浄機で落とせてしまう。高圧洗浄機を使えば、洗車の手軽なものになること、そして何より「やってみたい」と思わせる、ダイナミックさが印象に残る実演だった。ぬかるんだ道を走ったオフロードバイクともなると、付着した泥汚れを落とすのは骨の折れる作業だ。そんなときに高圧洗浄機があれば、手軽かつ楽しく短時間で汚れが落とせてしまう。オフロードバイクを取り扱うならば必須アイテムになりそうだ。
この後の質疑応答では「ノズルの角度を変えて洗車ができないか」といった質問が上がったが、ケルヒャーにはフレキシブルに角度を変えられるノズルがあり、それを使用することでそれが可能になるという。様々な人の要求にこたえられる製品ならびにアクセサリのラインナップを用意しているとのことだった。
今回の講座の感想について、サンクスサイクルラボに勤める鈴木良則さんは「高圧洗浄機なら汚れがひどいときに効率的に洗車できる。洗車サービスの件数が多くなれば水道代も気になってくるので、節水性能が高いのもいいところ。今回の講習での収穫は多数のノズルがあって選べるということだった。これまで長いノズルしかないと思っていて、自転車の洗車には少し使いづらいと感じることもあったが、短いノズルや角度を調整できるノズルがあることを知れたのは良かった」と述べた。
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