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体の痛み緩和術<7>

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ロードバイク乗車時の首・肩の痛みの原因と対策
体の痛み緩和術<7>

 ロードバイクユーザーを悩ます体の痛み。手、首、肩、腰、尻、膝など、痛みを覚える箇所は人様々です。あまりに苦痛で乗るのが嫌になってしまう人もいます。なぜ、ロードバイクに乗っているうちに痛みが生じるのでしょうか。痛みを和らげるにはどうしたらいいのでしょうか。自転車系YouTuberであり、本業は理学療法士を務めるtom's cyclingのTOMI氏に、痛みの原因から対応方法までを聞きました。第7回は首・肩の痛みの原因と対策について取り上げます。

※本連載はあくまで参考として紹介するものであり、痛みが強い場合などは医療機関の受診をオススメします。

ロードバイクにのって首の痛みと肩凝りが生じる原因は?

首の痛みと肩凝りの原因は?

 首の痛みと肩凝りの原因は僧帽筋という筋肉の疲労で生じます。首の下から、肩、背中にかけて広がった筋肉の酷使によるものです。ロードバイクの場合は、前傾姿勢をとり続けながら、前方を見ていると、首を筋肉で支え続ける必要が出てくるので、次第に首や肩に痛みが生じてきます。特に手に体重が乗った状態で前傾姿勢をとって見ると、首や肩に負担がかかることがわかると思います。

手に体重が乗った状態で前傾姿勢をとると首や肩への負担がわかりやすいです

猫背の人は要注意

 猫背の人は首が前に出ているので、僧帽筋が常に頭の重さを支えているような状態になっているので、通常よりも首や肩の凝りに悩む人が多いと思われます。また、背骨を大きく曲げてロードバイクに乗っているような人も首を上げた姿勢になりがちなので、首や肩に痛みを覚えやすくなります。

猫背の人は頭の重さを首で支え続けており、指で示したように首が縮んだ状態になってしまいます

首と肩の痛み対策は?

 前傾姿勢を撮り続けることで次第に首や肩へのストレスになりますから、乗車時にポジションを変えることや、前傾姿勢をとる際に、顔を上げて前方確認をするのではなく、あごを引いた状態で前方を見るようにすると、負担は少なくなります。

 また、ハンドルの高さを下げすぎて、ポジションが自分にあっていない場合も、肩や首が痛くなりがちですから、ハンドルの高さの調節も一考の余地ありです。ただし、その場合、ロードバイク乗車時の荷重バランスが変わりますので、お尻への負担が増すなど別の痛みにつながる可能性があります。

 なお、ヘルメットも選び方を間違えると首や肩の痛みにつながる場合があります。サイズが大きなものは、余分に後ろに荷重がかかってしまう場合があるので、ジャストサイズのヘルメットを選ぶことも、首や肩の痛み防止には必須です。

肩・首の痛み対策としてのストレッチ

 肩・首の凝りを和らげるストレッチは簡単にどこでもできます。背筋を伸ばした状態で、両手を頭の後ろに持っていき、頭を前に倒します。その姿勢を20秒保ちます。

しっかりと首を伸ばすために、背骨を曲げず、一度首から胸までを真っ直ぐの姿勢をつくることがポイント

 別の方法として、頭を左右に倒す方法も有効です。左右に倒す場合のコツとして、肩を一旦地面のほうに下げた状態にしたうえで首を左右に倒すと、首をしっかりと伸ばすことができます。こちらもストレッチを20秒行います。

首を倒すのと同時に肩が釣られて上がらないことがポイント

 猫背の場合は、猫背とは反対の姿勢をつくることが重要になります。首を後ろへもっていき顎も引いた状態にします。日頃からのトレーニングとして、姿勢を正して、顎を引き、人差し指と中指の2本を使って顎に当て、顎を押し込み30秒その姿勢を保つようにしてください。地味ですがこれ自体が顎を引くための筋肉のトレーニングとなり、ストレッチともなります。