難しい質問ですね～（笑）。好きな峠はたくさんありますが、強いていえば台湾の最高所の武嶺（ウーリン）です。日本では「太魯閣（タロコ）国際ヒルクライム」（※）で有名でしょうか。そのゴールが武嶺です。太魯閣のヒルクライムはこれまでに2回走っていますが、一番内容が濃くて、記憶に残った山です。1回目は12-27のスプロケットで走ってしまい 、最後で死ぬ思いをしました（笑）。

　日本国内では2つあって、一つは福島県の浄土平、もう一つは長野県にあるしらびそ峠です。好きになる峠の条件は…それなりにしんどくないと印象に残らないので、走り応えのある峠が好きですね。あとは景色の変化に富んでいる峠。浄土平は標高1600mとは思えない景色でした。まるで日本じゃないような風景。獲得標高は1300mくらいなんですけど、それであの景色が見えるのは、私が上った限りでは他に知りません。乗鞍ですら1400m上っても森が続きますし、さらにいえば1700mくらい上ってもずっと森の中を走るところもあるし、そういう峠と比べると景色の変化がある方が走っていて楽しいです。

　…といいつつ、鬱蒼とした森の中を走るのも好きだったりします。静かな道を走っていると「一人だけの空間」という贅沢な感じがして、すごく好きな時間。だからマイナーな道が好きなんでしょうね。

（※太魯閣国際ヒルクライム：標高0mからスタートし、走行距離約90kmで標高3275mの武嶺まで上る世界でも有数の難易度を誇るヒルクライムレース）