2021.6.22
東京都の西端、山梨県との境にある「都民の森」まで続くヒルクライムコースをご紹介します。渓谷沿いを行く、景観の良い片道約30kmの道です。比較的ゆるい傾斜が続くので、ビギナーにもおすすめなコースです。
オススメポイント | 東京都の西端、奥多摩から流れる秋川沿いの渓谷を走るヒルクライムコース。途中には休憩できたり、写真を撮れるスポットが多くある。緩やかな勾配が続くため、ロードバイクビギナーのチャレンジにも最適。 |
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レベル | ★★★(上級者向け) |
距離 | 59km |
獲得標高 | 約1300m |
出発・終着地 | JR武蔵五日市駅 |
立ち寄りグルメ | とちの実(軽食)、山猫亭(喫茶店) |
立ち寄りスポット | JR武蔵五日市駅、九頭龍神社、夢の滝、都民の森 |
スタート地点はJR武蔵五日市駅です。JR新宿駅からJR立川駅で乗り継いだり、また、土日祝日のみ運行している「ホリデー快速あきがわ号」に乗車すれば乗り継ぎ無しで到着できるアクセス良好な立地です。駅構内にはコインロッカーがあるため、輪行で訪れた際、荷物を預けてライドに臨むことができます。
駅の目の前、都道33号線からライドスタートです。ここから秋川に沿って奥多摩方面へと上っていきます。1000m以上の獲得標高があるコースですが、約30kmかけて上るため斜度は極めて緩やか。特に序盤は下りも多く登場します。
武蔵五日市の街を出ると、渓谷らしい自然溢れる景色が流れていきます。秋川に掛かるアーチ橋や、林を抜けていくワインディングロードは走っていて爽快そのもの。車の往来はあるものの、路面状況は悪くなく、自転車ナビ表記があるためスムーズに走行することが可能です。
8kmほど進むと、檜原村へと入っていきます。途中、バイクラックや自動販売機が置いてある檜原村地域交流センターに立ち寄ってもいいでしょう。先はまだまだ長い道のりです。橘橋の交差点にたどり着いたら、上野原方面へと向かいます。
スタートから10kmを過ぎると、徐々に坂に勾配が現れはじめ、本格的なヒルクライムコースの様相を呈してきます。とはいえ、上っては下ってを繰り返すので、脚を休める区間も多々あります。斜度はキツ過ぎることはないので、自分のペースで上り進めていけるはず。四季を感じられる景色が続くのもポイントです。
25km地点には約500年の歴史を持つ九頭龍神社が右手に現れます。石造の滑りやすい階段を上る必要がありますが、ルートすぐの場所に境内があるため、参拝しやすい神社です。サイクリングの交通安全祈願をぜひ。また、近くには滝行のスポットとしても知られている九頭龍の滝もありますが、橋や遊歩道を歩いて向かう必要があり、歩行性のあるシューズを履いていくことをおすすめします。
奥多摩周遊道路のゲートが見えたら都民の森まであと3kmほど。そして、左手には夢の滝がすぐに現れます。道路からでもよく見えるので、フォトスポットには最適です。石の階段で滝壺近くまで降りて行けますが、非常に滑りやすいので注意しましょう。
ここから先は4〜5%ほどの勾配が続きます。20km以上アップダウンを繰り返しているので、疲労はあるかと思いますが、あともう一息。これまで上ってきた道が眼下に見えたり、遠くまで見渡せる開けた景色が目を楽しませてくれます。
木の看板「都民の森」が見えればヒルクライムのゴールです。駐車場を抜けるとバイクラックや自動販売機、ベンチが豊富にあります。売店の「とちの実」では囲炉裏で温められた三頭団子や、カレーパンなどの軽食が大人気。長い上りを終えたご褒美に補給してはいかがでしょうか。休憩用のベンチとテーブルもあるので、ゆっくりと過ごすことができます。
復路はひたすら来た道を下っていきます。長い長い上りをあっという間に下っていくのは少々残念な気もしますが、それでも武蔵五日市駅までは30kmほどあります。爽快なダウンヒルを楽しむことができるでしょう。
自転車で走っても楽しいコースは、車やオートバイにとっても同様です。都民の森までの道はとても人気で、休日にもなればその数も多くなりますので、先を譲るなどしながら互いにスムーズに走れるよう心配りを忘れずに。
下り切った先、JR武蔵五日市駅まで戻ってきたら、グルメスポットが待っています。駅のローターリーからすぐの場所にある「山猫亭」は自転車でも訪れやすい喫茶店。サイクルスタンドもあり、ロードバイクを掛けておくことも可能です。
お店のマスターもサイクリストで、店内には自慢の愛車も飾られています。フランスに居住していたこともあり、ツール・ド・フランスの取材に同行した経歴もお持ちです。
こだわりのコーヒーや季節のフレーバーを用いた紅茶など、ドリンクは豊富に揃っていますが、食事のメニューもおすすめ。チリコンカンは辛さを抑えながらもスパイシーで食欲をそそります。甘酒を練り込んだオリジナルのチーズケーキはすっきりした甘さと深いコクのバランスが良く、ライド後の疲れた体に沁みてきます。輪行して帰路に着く前に、必ず訪れるべきスポットです。
10代からスイスのサイクルロードレースチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーへ参戦。引退後は産経デジタルが運営した自転車専門媒体「Cyclist」の記者、編集者として自転車やアイテムのインプレッション記事を担当した。現在はYouTubeチャンネル「サイクリストTV」でナビゲーターを務めるほか、自治体の自転車施策プロデュース業務を担当。
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