2023.8.10
自身のスキルとプランニング力が重要な自転車キャンプツーリング。本番前の練習にうってつけの近場のキャンプフィールドを、トラベルライターの山下晃和さんが紹介します。
山下さん:前回の記事でもお伝えしたように、まずはデイキャンプから始めると自転車キャンプツーリングの計画を立てる上で必要なことが見えてきます。では次に、本格的なキャンプツーリングにトライするとしたらどのような場所が良いかをご紹介したいと思います。
手始めのツーリングスポットとしては、いざというとき頼りになるコンビニエンスストアやスーパーに近いところが良いでしょう。東京であれば、若洲海浜公園、城南島海浜公園、平和島公園キャンプ場の3つがおすすめです。1泊300円から1000円程度と安価で、アウトドア関連のメディアが撮影で使うほど人気の場所です。
それ以外の地域でも、公営のキャンプ場は宿泊料金がそれほど高くなく、また民間のキャンプ場に比べればローカルルールも少ないのも特徴。ファミリーキャンプと同じ区間に泊まれるケースが多いので、ビギナーにとっても安心材料が多いと思います。
上記の3つのキャンプ場はすべて都内の臨海エリアにあるので、海を観ながらサイクリングできるというのもオススメのポイントです。夏の日中はそれなりに暑いので対策は必要ですが、夕方以降は気持ちいい海風が入ってきます。
平和島公園キャンプ場の近くには天然温泉もあるので、都会に居ながら遠くに来たような錯覚に陥ります。海辺のライドで流した汗も寝る前にスッキリ流せるので、夏キャンプに良いマッチングです。
もう1つのオススメスポットは伊豆大島です。島内には自転車ショップなどはないので、パンク修理やチェーンが切れたときの修理方法など、基本的な機材トラブルに対処できる方法を身に着けておく必要があります。
島一周約47kmと走りごたえもあり、多数の観光スポットがあることでも知られる島ですが、無料で利用できる町営の「トウシキキャンプ場」をはじめ、キャンプ場が充実している島でもあります。
島内にコンビニエンスストアは無いので、買い出しする場所はある程度定めておく必要があります。車通りが少なく伊豆大島一周道路の道標が至るところにあるため、道に迷う心配はないでしょう。
伊豆大島には三原山登山、海沿いのグラベルライドなどのアクティビティの他、港近辺の温泉、「くさや」や「べっ甲寿司」などの島特有の食文化、通称「バームクーヘン」と呼ばれる地層切断面や火山の片鱗が残る岩石など、東京都にいながら異国気分でツーリングが楽しめます。
ここ最近、島内の人気スポットとなっているのが波浮港(はぶみなと)です。島内に2つある港のいずれからも距離があるので、アクセスに自転車は欠かせません。道中は島ならではのアップダウンがあるので、そこそこハード。苦労して辿りついた分、感動はひとしおです。波浮港の周りには昔ながらの穏やかな町並みが残っていて、どこかホッとする雰囲気。カフェ、ゲストハウス、商店、レストランなども点在していて自転車ならではの寄り道ライドが楽しめます。
「BIKE&CAMP」という自転車とキャンプをテーマにしたイベントへの参加もオススメです。ツーリング向けの試乗車、テント、寝袋やマット、焚き火台、カトラリーなどのキャンプ道具の展示・販売が行われるほか、自転車キャンプに特化した荷物積載のワークショップや親子で参加できるキャンプ料理のワークショップなどの体験イベントも実施しています。
イベントが発足した2017年当初は、自転車キャンパーが集うオフミーティングのような小さなイベントでしたが、現在は初心者から玄人まで日本中から自転車キャンパーが集まる一大イベントとなりました。自転車キャンプを始めて間もない人たちが知識を広げたり、他の来場者のキャンプスタイルを見たりして学べる機会になっています。
キャンプ泊をしなくても当日のみの参加も可能です。まず自転車キャンプがどういうものかを見てみたいという方も、気軽に参加してみると良いでしょう。
タイクーンモデルエージェンシー所属のモデル。自転車、バイク、クルマ、登山で旅をして記事を書くトラベルライターとしても活動。主にサイクルマップ、自治体の冊子、WEB、雑誌などに寄稿。海外30カ国以上を自転車で旅した経験を活かし、自転車とキャンプをテーマにした旅フェス「BIKE&CAMP」の実行委員長となる。自転車キャンプツーリズム協会(BACA)理事。JACC(日本アドベンチャーサイクリストクラブ)評議員。
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